「かなやまじんくらぶ―まちを歩いて本を作ろう―」は、金山のまちをテーマにZINEを作る参加型アートプロジェクトです。2024年6月に活動が始まり、版画家、印刷家、建築家の３名のアーティストを中心に、公募メンバー12名も9月から参加しています。金山のまちに出かけ、地域の方にお話を聞き、さまざまな版画や印刷の方法で制作したZINEは、11月9日(土)に開催する「かなやまじんくらぶまつり」で発表します。

今回は「かなやまじんくらぶ」の活動の一部をご紹介します。

【かなやまじんくらぶメンバー活動事前説明会】

日時：2024年9月11日(水)　　場所：名古屋都市センター

公募によって集まったかなやまじんくらぶメンバーの初顔合わせを金山南ビルにある名古屋都市センターの会議室で行いました。事前説明会では、かなやまじんくらぶのガイダンスと参加メンバーの自己紹介に続き、版画家、印刷家、建築家のアーティストそれぞれによる今回のZINE制作のインストラクションと、これまでに金山のまちをリサーチした内容を共有しました。

【じんくらぶメンバー活動初回】

日時：2024年9月21日(土)　　場所：クリエイティブ・リンク・ナゴヤ事務所

メンバー活動が稼働しました。かなやまじんくらぶの活動拠点としている妙香園本店に集合後、午前中は金山のまちを散策しながら、クリエイティブ・リンク・ナゴヤ事務所があるナディアパークへ移動しました。今日の制作は「金山を彩る」と題して、各メンバーが撮影した金山の風景に、シルクスクリーンのモノプリントという技法でイメージを重ねます。印刷家の嶋崎出さんがシルクスクリーンの印刷方法について説明したのち、今度は版画家の山口麻加さんが、メンバーの撮影した金山のまちの風景写真にコメントしていきました。装飾や稜線のおもしろいビル、都市化された街並みのなかに残された一軒のタバコ屋さん、夕焼けの空をバックにした文化施設、熱田台地の隆起がわかる道路の高低差など、メンバーそれぞれがまちを散策して発見した金山のユニークな景色を共有しました。

その後はいよいよ個人作業と印刷を開始。地図を重ねるメンバー、景色の中にある図形を線で強調するメンバー、木々の緑など色をつけるメンバー、架空の人を足すメンバー、それぞれが実際の風景から想起した空想の街並みを、カラフルなインクとクレヨンを使ってシルクスクリーンの技法で表現しました。

【かなやまじんくらぶメンバー活動第2回】

日時：2024年10月2日(水)　　場所：妙香園、TOUTEN BOOKSOTRE、観聴寺、ナゴヤ都市センター

昼間は妙香園の特設スタジオで自由制作をしたのち、夕方からは3グループに分かれて金山で活躍する3名の方 へインタビューに行きました。

TOUTEN BOOKSOTREは金山にある個人経営の本屋さんで、ZINEの販売も行っています。「店内の本はすべておススメ 」という店主の古賀さんは本の陳列にも工夫を凝らしています。本棚にZINEを意識的に並べていて、ZINE好きの方も多く来店されているようです。店内にはカフェスペースがあり、読書会や小さなトークイベントなど開催されています。

観聴寺では先代住職の奥様より、仏像にまつわるエピソードを伺いました。熱田開発でお寺を熱田から金山に移転したところ、第二次世界大戦の本土空爆によりご本尊の十一面観世音菩薩もろとも焼けてしまったとのこと。その後本堂を復興し、ご本尊も復元して今に至るそうです。

妙香園の代表取締役田中さん からは、おじい様から受け継いだお茶販売のノウハウとエピソードを伺いました。お茶という文化を継承していくには、まずは人に会って話を聞き、新しい知識も得ていくというのがモットーだそうです。ほうじ茶のリキュールなど新商品開発にも熱心で、お茶を通じて新しい時代を切り開いていきたいという想いであふれていました。

３班に分かれてそれぞれ話を聞いたメンバーたちはその後、名古屋都市センター会議室に集合し、各班でインタビューの内容をどのようにZINEにまとめるか、話し合いました。11月9日（土）には金山南ビルで開催される「かなやまじんくらぶまつり」で完成したZINEが展示されます。力作が生まれそうで楽しみです。

【かなやまじんくらぶまつり】

日時：2024年11月9日(土) 11:00-19:00 会場：金山南ビル美術館棟（旧ボストン美術館）3F

「かなやまじんくらぶ」で制作したZINEをお披露目し、金山をテーマにみんなで楽しむお祭り「かなやまじんくらぶまつり」を開催します。制作したZINEの展示、ワークショップ、トーク、ライブを実施します。イベント詳細は、こちら。