採択事業紹介④  鈴木一絵「PLACENESS(作品展示・トークイベント・アーティストブック)」 | つながるコラム | クリエイティブ・リンク・ナゴヤ

国際交流

2023.3.22

採択事業紹介④  鈴木一絵「PLACENESS(作品展示・トークイベント・アーティストブック)」

クリエイティブ・リンク・ナゴヤの2022年度助成事業において、「社会連携」をテーマに採択された事業を4回にわたってご紹介します。主催者の皆さんの、各分野との「つながり」についてインタビューしました。

第4回は鈴木一絵さんにお話を伺いました。

 

 

【イベント概要】

事業名:PLACENESS(作品展示・トークイベント・アーティストブック)

実施者名:鈴⽊⼀絵(すずき かずえ)

日時:2023年3月18日(土)11:00~22:00

会場:名古屋市中川区「Q SO-KO」

 

 

【インタビュー】

鈴⽊⼀絵さん(企画者/SEASUN代表/アート交流プロジェクトコーディネーター)

 

 

作品展示とトークイベントの会場となる「Q SO-KO」(名古屋市中川区)を準備する鈴木一絵さん

 

 

――PLACENESSはどんな企画ですか?

 

鈴木 PLACENESSを日本語に置き換えると「場所感覚」というニュアンスの言葉になります。「場所と個人のつながり」と訳す人もいます。タイを拠点に活動をしているプラープダー・ユンさんと、金沢出身でロンドン在住のさわひらきさんという二人のアーティストに、PLACENESSをテーマに協働して展示作品をつくってもらい、二人のトークイベントを開催したり、アーティストブックを制作したりして販売します。

 

 

――お二人はどんな方ですか?

 

鈴木 プラープダーさんは文学やエッセイの作家、映像作品のアーティスト、グラフィックデザイナーや映画監督として幅広く活動しています。著書のいくつかは日本語にも翻訳されていて、2021年には福岡アジア文化賞の芸術・文化賞を受賞しました。日本文化への造詣が深くて、日本をテーマにしたエッセイも出版しています。タイでは文化人としても名の知れた方ですが、とてもフランクな人柄で、今回も日本での活動を、とても楽しみにされています。

 さわさんは映像・立体・平面作品などを組み合わせた作品を制作するアーティストです。今回の展示の共同企画者であるインストーラーチームのミラクルファクトリーさんともよく一緒に仕事をされています。今回は彼らの場所のオープニングでもあり、共同で展示を考えて「プラープダーさんとさわさんがコラボレーションしたら、面白い反応が生まれそう」ということで、この企画になりました。

 

 

2023年1月に名古屋でリサーチをするプラープダー・ユンさん(中央)

 

 

――どんな作品が展示されますか?

 

鈴木 PLACENESSというテーマも、さまざまな場所を行き来して活動をしている二人だからこそ生まれたものです。プラープダーさんは1月にも名古屋に来られ、名古屋がどんな街かというリサーチや、名古屋で暮らしている東南アジアの人にインタビューを行いました。その際に撮影した映像をもとに作品の制作を進められています。さわさんは、これまでにも名古屋の文化事業などに参加されている実績があります。今回は、PLACENESSのテーマからインスピレーションを得た立体作品をつくってもらっています。それぞれが、アーティストが見た名古屋や、場所感覚への思いなどが込められた素晴らしい作品になると思います。アーティストブックでは、これらの制作過程なども紹介していく予定です。

 

 

――トークイベントはどんな内容になりますか?

 

鈴木 3月11、12日の2日間、異なったテーマで行います。

 1日目はオープニングトークとして、プラープダーさんとさわさんがPLACENESSをテーマに対談。2日目はプラープダーさんとさわさんの過去の映像作品を上映して、作品についてのトークや来場者との質疑応答なども行います。

 

 

――会場も雰囲気のある所ですね。

 

鈴木 2022年末から、以前は製造業の工場だったところをミラクルファクトリーさんとSEASUNが共同で借り、「Q SO-KO」という工房兼ギャラリーとして準備・活用しています。今回の企画は、そのオープニングイベントでもあります。今は彼らと一緒に、手作りで会場をつくるところから進めています。

 

 

ロンドン在中の造形作家、さわひらきさん 写真:尾崎芳弘(DARUMA)

 

 

――鈴木さんご自身もタイに赴任されていたことがあるそうですね?

 

鈴木 もともと外国と日本の架け橋になるような仕事がしたくて、前職である国際交流基金に在籍していたとき、タイに4年間、赴任していました。2018年に退職した後も、1年半タイに住んでいました。

 

 

――現在は、どんなお仕事をされているのですか?

 

鈴木 フリーランスのコーディネーターとして、東南アジアと日本の文化の架け橋になるようなイベントの企画や運営を行っています。タイに限らず、東南アジアの国々はとても“カラフル”だと感じています。街の中でみかける色もカラフルですし、いろいろな出自の人が混ざり合って暮らしている様子もカラフル。そうした同時代の多様なアートや文化を、もっと日本で紹介していきたいという思いがあります。私が屋号にしている「SEASUN(シーサン)」という言葉も、タイ語でカラフルという意味です。

 

 

今回の展示はミラクルファクトリーとの共同企画

 

 

――来場者にはどんなことを伝えたいですか?

 

鈴木 アーティストならではの創造性をもって、名古屋の潜在的な⽂化資源や魅⼒についてリサーチを行い、それがどんな作品として形になるのかを楽しんでいただければと思います。また、例えば欧米諸国の文化やアートに比べて、東南アジアのアートや文化は紹介される機会が少ないのが現実です。観光地として人気の東南アジアですが、文化に目を向けると、また違った魅力も感じられるのではないでしょうか。この機会に一人でも多くの方に、東南アジアのアートや文化に興味をもってもらえると嬉しいですね。アーティストが在廊するイベントは2日間のみですが、作品は5月まで展示していますので、ぜひ気軽にご来場ください。