アトリコナゴヤ
パイロット事業
インタビュー
2026.1.6
アトリコナゴヤ⑦番外編「日常に溶け込み、非日常に心躍る。どちらもアートの役割」 – 佐藤友美(クリエイティブ・リンク・ナゴヤ ディレクター)
昨秋からスタートした「アート・リコメンド・ナゴヤ(アトリコナゴヤ)」は、名古屋をもっと楽しむための文化芸術ガイドです。その道のプロフェッショナルの方々が、当地で開催される様々な公演・展示会などから推しのイベントを、みどころとともにリコメンドします。
今回は、クリエイティブ・リンク・ナゴヤのディレクター佐藤による番外編の2回目です。

佐藤友美 プロフィール
中日新聞名古屋本社事業局で、美術展を中心とする文化事業の企画運営や、文化団体や市⺠団体などとの連携事業に携わる。その後トヨタ自動車株式会社で社会貢献活動やCSR活動に従事し、トヨタ博物館副館⻑やトヨタボランティアセンター⻑などを務める。2023年1月から現職、2024年4月から名古屋市文化芸術推進評議会委員。博士(教育学)。近著に『地域資源としての企業博物館』(晃洋書房)。
これから実施されるクリエイティブ・リンク・ナゴヤの社会連携活動助成採択事業や、キャリアアップ支援助成に採択された若手アーティストの活動をご紹介。また当組織の活動以外でも、名古屋市美術館や名古屋市文化振興事業団主催事業もピックアップしました。
※各プロジェクトの詳細、チケットの購入等については、各主催者のページでご確認ください。
社会連携活動助成編 私のリコメンド 1
ART FAIR NAGOYA 2026
会場|ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋 26F・27F(中区)
日程|2026年2月6日(金)~8日(日)
Webサイト|ART FAIR NAGOYA 2026
主催|ART FAIR NAGOYA 実行委員会
「アートと暮らす」をコンセプトに名古屋のみならず全国から26ギャラリーが集結して、最前線の現代美術作品を披露します。1980年代頃から名古屋には現代美術を扱うギャラリーが多数存在し、アーティストの育成やコレクターの拡大など当地のアート振興に大きく貢献してきました。様々なアートフェアも開催されていますが、今回のフェアは2024年11月に金山南ビル美術館棟でクリエイティブ・リンク・ナゴヤが開催した「NAGOYA ART COLLECTION」の事務局を担った名古屋のギャラリーの皆さんが実行委員会を組織して立ち上げています。昨年に引き続き金山地区での開催で、金山の地域や、近隣の美術大学とも連携するなど、広く社会に発信しながら息の長いフェアにしていこうという事務局の意気込みを感じます。ギャラリーごとに異なる個性の作品との出逢いを楽しみながら、お気に入りのアーティストを見つけてみてください。
社会連携活動助成編 私のリコメンド 2
あっぱれちよだ!ありがとうまつり
会場|さふらん生活園はじめ千代田エリア各所(中区)
日程|2026年2月21日(土)、22日(日)
Webサイト|SFRN
Instagram|@apparechiyoda
主催|SFRN(さふらん生活園)
福祉施設としての一般公開イベントを一歩踏み出し、地域と連携したお祭りを立ち上げて、多様な人々が共に暮らすまちづくりを目指していく取り組みです。生活介護施設である「さふらん生活園」は日頃からSFRNというブランドで通所者の方々がアーティストとして制作活動を行なっています。「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」が2018年に公布されたこともあり、障がいのある方が取り組むアート活動が「アール・ブリュット」などとして、自治体や企業などにとりあげられて脚光を浴びる機会も増えました。地道な日々の生活介護活動を着実に続けながら、アートを手に街に飛び込み、地域への理解活動と街の活性化に繋げようというSFRNのチャレンジ精神には敬意を表します。作品展示や販売、パフォーマンスなど一日楽しく過ごせるお祭りで、千代田エリアの魅力を味わいにきてください。
私のリコメンド 3
特別展 コレクション×現代美術 名古屋市美術館をめぐる4つの対話
会場|名古屋市美術館(中区)
日程|2026年1月9日(金)〜3月8日(日)
Webサイト|コレクション×現代美術 名古屋市美術館をめぐる4つの対話
主催|名古屋市教育委員会・名古屋市美術館、メ~テレ
名古屋市内で初めて本格的なコレクションを持つ公立美術館として、1988年に開館した名古屋市美術館。現代美術に関しては国内外の著名作家の企画展等で精力的に鑑賞機会を市民に提供、また「現代美術のポジション」展は地元の若手アーティストの発表の場でもありました。今回の特別展はこの流れを汲みながら、斉と公平太、田村友一郎、蓮沼昌宏、三瓶玲奈がコレクションを再解釈し、自身の新作を公開するという試みです。開館して38年、美術を取り巻く環境も社会も大きく変わりました。それを踏まえて、約40年前に定められた収集方針によるコレクションが現在どんな意味を持つのか、アーティストの視点で問い直す、名古屋市美術館にとってスリリングな挑戦ともいえます。アーティストトークをはじめさまざまなイベントも開催されるので、ぜひそちらにも参加して、われらの街の「美術館」の存在意義を一緒に考えてみませんか。
私のリコメンド 4
ファン・デ・ナゴヤ美術展 2026
会場|名古屋市民ギャラリー矢田(東区)
日程|2026年1月9日(金)~18日(日)
Webサイト|ファン・デ・ナゴヤ美術展
主催|公益財団法人名古屋市文化振興事業団
1999年から名古屋市民文化振興事業基金(文化基金)を活用して継続されている、企画公募型の展覧会です。若手の企画を積極的に採択し、地元のキュレーターやアーティストのステップアップの機会となってきました。会場の名古屋市民ギャラリー矢田は名古屋市営地下鉄「ナゴヤドーム前矢田駅」直結で2001年に開館し、天井の高い展示室をはじめ、現代的な美術展示に対応できる仕様になっています。年に数回実施する自主事業では若手アーティストの発表機会の創出に注力しています。今年は山岸耕輔、高見知沙、村瀬ひよりという3人の作家によるそれぞれの個展が開催され、愛知県美術館の鵜尾佳奈学芸員による3企画合同ギャラリーツアーもあります。
私のリコメンド 5
日本劇作家協会東海支部 プロデュース
Jr.ライト級チャンピオンタイトルマッチ「劇王2026」
会場|名古屋市昭和文化小劇場(昭和区)
日程|2026年 2月7日(土)~8日(日)
Webサイト|「劇王2026」
主催・制作|日本劇作家協会 東海支部
共催|公益財団法人名古屋市文化振興事業団 名古屋市昭和文化小劇場
劇作家協会東海支部プロデュースの短編演劇の大会です。歴代「劇王」に輝いた劇作家の大半が当地方で継続的に活躍しており、まさに登竜門のひとつといえるでしょう。2003年以来「長久手市文化の家」で開催されてきましたが、同館が改修工事中のため、今回初めて名古屋市内での開催となりました。上演時間20分以内、役者3人以内の短編作品で、観客とゲスト審査員の投票により劇作家の優勝者=「劇王」が決定されます。短時間で複数の公演を鑑賞でき、自分も投票して結果を見守るのが楽しく、気軽に観られるのが魅力です。観客参加型のこの方式は現在、全国に広がっているそうです。演劇、特に地元の若手劇団は、なかなか情報が取りづらく、どれを観に行ったらいいのかよくわからないと言われがちですが、「劇王」は、これは!と思う劇作家や俳優を見つける絶好の機会です。
キャリアアップ支援助成編
クリエイティブ・リンク・ナゴヤの若手アーティスト支援(記録集やポートフォリオ制作に対する助成)の採択者が関わる、名古屋近隣で行われる公演をご紹介します。
【浅野聡太(和太鼓奏者)】
Neo Japanesque 能楽堂ライブ 夢幻楽-MUGENGAKU-
会場|名古屋能楽堂(中区)
日程|2026年1月17日(土)
主催|有限会社ジャムズエンターテイメント
【袴田美帆(サクソフォン奏者)】
袴田美帆 サクソフォン・リサイタル 「サクソフォンで織りなす、パリと一宮 vol.2」
会場|尾西信金ホール(一宮市)
日程|2026年1月24日(土)
ナゴヤにコメント
文化芸術が好きという方は多いですが、その関わり方は人により、またシチュエーションによりさまざまです。生活空間の中でのアートや音楽などに触れていたい、自分で制作や演奏をしたい、あるいは舞台公演や美術展に出かけて非日常体験をしたい、楽しく癒されたい、多少難解であっても新しい知見や出逢いを得たい…。
ご紹介したクリエイティブ・リンク・ナゴヤの助成採択事業は暮らしの中に芸術を取り込み、一方「4つの対話」「ファン・デ・ナゴヤ展」「劇王」はプロとして自分の表現を問い続けるアーティストから非日常の刺激を受けるものともいえます。日常に溶け込み、非日常に心躍る。どちらもアートの役割であり、それらを享受できることが都市としての名古屋の魅力ではないでしょうか。どうぞお気軽にお出かけいただき、この名古屋でこの時代に存在する表現を楽しんでください。








