2022年度採択助成事業報告会を行いました | つながるコラム | クリエイティブ・リンク・ナゴヤ

活動レポート

2023.7.10

2022年度採択助成事業報告会を行いました

5月11日(木)に、クリエイティブ・リンク・ナゴヤの2022年度採択助成事業報告会を行いました。

 

会場は、久屋大通駅からほど近いFabCafe Nagoyaで、公園と隣接した開放的な空気感のなか、一般の方からまちづくりに関心をもつビジネスパーソンまで、47名もの方々がご参加くださいました。

 

報告会は 18時半に開始され、はじめにクリエイティブ・リンク・ナゴヤの谷事務局長からの挨拶の後、佐藤ディレクターより、助成事業の概要と2022年度の採択者が紹介されました。続いて、助成A・Bの採択者と、レビューの執筆者に一緒にご登壇いただき、それぞれの助成事業について対談形式でお話しいただきました。

 

なお当日はご紹介のみとなりましたが、報告会には助成C・Dの採択者も一部お越しくださいました(Clarinet Ensemble みたらしだんご、登龍亭獅鉄、大野高輝、歌謡劇団 女の一生NAGOYA、古川美術館、山田亘(順不同、敬称略))。助成Cの支援を受けて制作されたポートフォリオは会場で展示され、多くの方が手に取ってご覧になっていました。

 

左:鈴木一絵さん 右:勝田琴絵さん

対談の助成Aのセッションでは、まず「PLACENESS」のプロジェクトを手掛けた鈴木一絵さんより、オルタナティブスペース「Q SO-KO」を舞台にした、海外アーティストとのコラボレーション活動について紹介していただきました。レビュー執筆者の名古屋市美術館の勝田琴絵さんからは、自分のこととも重ね合わせながらPLACENESS(場所感覚)というテーマを体験できた、との感想が聞かれ、話はコロナ禍後を見据えたアートの在り方にまで及びました。

 

左:鷲尾友公さん 右:鈴木俊晴さん

「3月のメロディ」を実施した鷲尾友公さんと、豊田市美術館の鈴木俊晴さんは、和気あいあいとした雰囲気のなかでイベント当日の様子を振り返りました。鈴木さんは、鷲尾さんによる「緩やかな輪郭」をもつイベントが、自然とまちの輪郭を形作っていく様子が面白かった、と語り、鷲尾さんの人柄の魅力にも触れながら、会場となった北区エリアが多くの人で賑わう様子を情感豊かに伝えてくださいました。

 

左:タキナオさん 右:井上昇治さん

南区の笠寺町で「umino-ito~かつての海辺でうまれる縁の糸」を企画したタキナオさんと、メディア「OutermostNAGOYA」主宰の井上昇治さんとの対談では、名古屋や笠寺をめぐるそれぞれの思い、また今回タキナオさんの事業を通じて見出された町の魅力について意見が交わされました。笠寺のまちづくり関係者を魅了するという「笠寺のもつポテンシャル」のイメージが、井上さんによるタキナオさんへの質問を介して浮かび上がっていき、オーディエンス側も現地に足を運んでみたくなるようなトークが聞かれました。

 

左から伊藤孝紀さん、近藤多喜男さん、古橋敬一さん

続く助成Bのセッションでは、「クリチャレ ―名駅南クリエイティブチャレンジ―」を手掛けた名駅南まちづくり協議会会長の近藤多喜男さんと、名古屋工業大学大学院准教授の伊藤孝紀さん、そしてレビューを担当した愛知学泉短期大学講師の古橋敬一さんが登壇されました。大規模タワーマンション建築をひかえた名駅南という場所を、いかにクリエイティブな場所として活用していくかについて、今回の事業を踏まえた今後の展望までトークが広げられ、三人それぞれの立場から、長期的な視点で名古屋のまちづくりを推進することの必要性が語られました。

 

 

この他にも登壇者の皆さんには、それぞれの事業を終えての感想だけでなく、クリエイティブ・リンク・ナゴヤの助成を受けたことで新たに生まれた効果や、事業を遂行するうえで感じた難しさ、次回へ生かすべき改善点などについて、助成事業の今後までを見据えた建設的な議論を展開していただきました。

 

ステージ上左から笠木副ディレクター、鈴木一絵さん、 鷲尾友公さん、タキナオさん、近藤多喜男さん、伊藤孝紀さん

報告会の後半では、クリエイティブ・リンク・ナゴヤの笠木副ディレクター司会のもと、「社会連携、やってみてどうだった?」というテーマで、助成A・Bの採択者によるトークセッションが行われました。こうして採択者が一堂に会すのは、1月に行った採択者説明会以来です。

 

左から鈴木一絵さん、鷲尾友公さん、タキナオさん

登壇者からは、それぞれお互いの事業報告を聞いての感想や、これからの課題などをめぐる率直な意見が聞かれ、アートを介した社会連携の在り方を、会場が一体となって考えることができました。

 

トークセッションの様子

質疑応答の時間も設けられ、今回の社会連携事業ではどのようにして街の人を巻き込んでいったのか、といった質問があがると、採択者からは「関わりしろ」のようなものを作ることが大切だという指摘がありました。

 

会場の様子

 

この他、助成事業の過程での様々なエピソードが披露されるなど、時間いっぱいまで活発なトークが繰り広げられ、報告会は盛会のうちに20時ごろ終了しました。今回会場としてお借りしたFabCafe Nagoyaさんの開放的な雰囲気も相まって、イベント終了後も、会場外で白熱した議論・交流が続き、非常に有意義な報告会となりました。

 

ご来場くださった皆様、ありがとうございました。

会場協力:FabCafe Nagoya(ホームページ

 


 

今回の助成事業の概要やレビュー記事は、以下のリンクよりご覧いただけます。※別ウィンドウが開きます

 

【2022年度の採択結果について】

2022年度クリエイティブ・リンク・ナゴヤ助成事業採択結果

 

【採択事業一覧】

助成A 助成B 助成C 助成D

 

【コラム、インタビュー等】

助成A

・鈴木一絵「PLACENESS」 事業紹介 / レビュー(執筆:勝田琴絵)

・タキナオ「umino-ito~かつての海辺でうまれる縁の糸」 事業紹介 / レビュー(執筆:井上昇治)

・鷲尾友公 「3月のメロディ」 事業紹介 / レビュー(執筆:鈴木俊晴)

 

助成B

・名駅南地区まちづくり協議会「クリチャレ ―名駅南クリエイティブチャレンジ―」 事業紹介 / レビュー(執筆:古橋敬一)

 

助成C

採択者インタビュー

 

助成D

個別インタビュー Barrack